ひとりごと

目が覚めた

そのひとのことを盲信していると肝心なことが見えないんだというのを体験した。

職場に二人の人がいる。Aさんは仕事がバリバリできる人。誰とでもコミュニケーションが上手くとれる人。Bさんは人と話をするのが苦手なタイプ。わからないこともAさんに聞かずに自分の判断で進めてしまっていた。Aさんは、Bさんを苦手、いや、嫌いで、仕事のやり方について上司にいろいろと訴えていた。

私もBさんが苦手だった。Aさんのはっきりしているところが「合う」と思っていた。最初、AさんとBさんが組んで仕事をしていたのだか、Bさんの仕事のやり方がAさんが思っていたものと違っていた。Bさんの細かさのベクトルが違っていたからだ。細かいから仕事も丁寧で遅かった。Aさんは上司に相談して仕事の配置換えを提案、Bさんの代わりに私が組むようになった。私はAさんからの指示で仕事をするようになった。

最初はうまくいっていたようにみえた。しかし、しばらくして仕事が忙しくなった頃、私は違和感を覚えた。本来なら私の仕事がいつのまにかほかのひとにまわっていた。ほかのひとは私がやるべき仕事の前任者で慣れた人だった。私がやるよりミスも少なく早く確実にできる。仕上がったものを確認するのがAさんなので、私が作るよりもはるかに効率的だった。そして、「それ、前も言いましたよね」「そんなことは考えなくてもいいから」Aさんの口調が変わってきた。

点の違和感。

私が担当するはずの仕事は8割くらい前任者のところにいくようになった。しばらくして、今度はAさんが忙しくなって、「私もいっぱいだから、いろいろ指示を出せない」と言われた。

指示がなくなった私はすることがなくなった。

ある時、質問することがあって、Aさんに話しかけた。返事は、私が想定していなかったものだった。でも、Aさんには何故私がそんな質問をしたのか通じなかった。イライラしているAさんに私は状況をうまく説明できなかった。

Aさんのイライラが伝わり、私はAさんに見捨てられる怖さで何も言えなかった。

点の違和感がふたつ。ぼんやりとした線になりつつあった。

もしかしたら、Aさんは周りを自分の仕事がやりやすいように動かしているのではないか。

ある日、いつもなら休む前日に休むことを教えてくれていたAさんは何も言わずに仕事を休んだ。

仕事がない私はBさんに手伝えることがないかたずねた。

Bさんはとても的確に私に指示をした。資料のまとめ方もわかりやすかった。Aさんがいないから、私もBさんに話しかけることができたんだ。

線がクリアになった。

私は、Aさんのフィルター越しにBさんを見ていたんだ。

Aさんの仕事ぶりがすごいと思い、盲信的になっていた。洗脳に近いものだったのだろう。

Aさんにとっては、周りの人間はすべて自分の仕事のためのコマなんだ。周りを育てようなんて気持ちはない。まして、私は非正規である。

線が太く濃くなった。

コマか。

コマでもいいんだよ、感情がなければね。

Aさんがいなくて、Bさんに接して、目が覚めた。

すごいとしか思わなかった感情は粉々になった。

相手は私を、いや、周りをコマとしか思っていない、自分の感情でひとに対する態度を変える人。

だからと言って、嫌いになったというわけではない。

所詮、ただの「同僚」なのだから。

Aさんが仕事ができるのは事実。それはその仕事に経験があるから。ほかの、まったく違う職場に一年目としていったらどう? Bさんも私も一年目の職場。比べるのがおかしい。教える長い目は持てない人なのだ。

貴女は上には立てないよ。

そういうところを上司は見ているからね。

Aさんから離れたくて仕事を休むことにした。しばらくリセットしよう。

人を信じすぎたね。

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