すうぐ・いじけるんはたびにでることにした。
いっしょにすんでるくまさんがつくってくれたむげんハンバーグとくまくまのけんをもって、おっこ・りんぼうをたおすくすりをさがしにいくんだ。
さいしょはなかよくなるくすりをさがしていたんだけれど、おっこ・りんぼうがうちゅうじんだとわかってからはたたかうことにしたんだ。
でかけるとき、くまさんはさびしそうだった。
「くまくまのけんをもっていってね」
だいじょうぶ、かえってきたときには、すうぐ・いじけるんはつよくなってるからね。
どっさどっさ。
からだがおおきなすうぐ・いじけるんがあるくとじめんがゆれる。
でも、すうぐ・いじけるんはきにしない。
すうぐ・いじけるんがきにするのはことばのつぶてだけ。
ことばのつぶてにはくまさんのおくすりと「で?」のまほうでたちむかう。
まけることがおおいから、すぐいじける。
まえへすすもう、どっさどっさ。
もっとすすもう、どっさどっさどっさ。
しばらくあるくと、とおくにくろいものがみえてきた。
なんだろう?
ちかづいていくと、くろいものはもやもやしたボールだった。
すうぐ・いじけるんにはこえがきこえた。
はなしかけてごらん。
このこえがきこえたときはいつもなにかがはじまるんだ。
「こんにちは」
しーん。
「こんにちは」
しーん。
もいっかい。
「こんにちは」
「…こん…にち…は…」
だれかなかにいる。
はなししてごらん。
またこえがした。
「わたしはすうぐ・いじけるんといいます。
あなたのおなまえをきいてもいいですか?」
「…べ・らーの…です…」
べ・らーのさんかあ。
べ・らーのさんは なにしてるんだろう?
もっとはなしたいな。
もっとはなしかけたらめいわくかな?
どうしたらいいかな?
そうだ。こういうときは、くまさんをよぶんだ。
すうぐ・いじけるんはくまくまのけんをおひさまにむけてさけんだ。
くーまーさーん!
「すうちゃん、なあに?」
すうぐ・いじけるんがふりむいたら、くまさんがいた。
くまさんはだいすきなミルクのはいったカップをもっていた。すうぐ・いじけるんのところにとんできたんだね。
「くろいもやもやボールのなかのひととおはなししたいの」
くまさん、ミルクをひとくち。
「すうちゃんははなしをしたいんだね。
ボールのなかのひとは、どうだろう?」
すうぐ・いじけるんはそこまでかんがえていなかった。
「まっててごらん」
くまさんはいつでもすうぐ・いじけるんがうごくのをまっていてくれる。
デートのときにも2じかんくらいまっていたこともある。
まつのもだいじなこと。
「いそがなくてもいいんだよ」
すうぐ・いじけるんは、すぐけっかをもとめてしまう。まつのがにがてなんだ。
なぜまつのがにがてなんだろうな?
そして、すぐ「なぜ」をかんがえる。
「なぜ」がなくてもうごいているものはたくさんあるんだよね。
「うん、でもね」
あ。
また、すぐ、「でもね」をいっちゃった。
「でもね」をいうと、くまさんはふしぎそうなかおをする。くまさんのそのかおはみたくない。
「うん。まってみるね」
すうぐ・いじけるんはまてるかな?
くまさんにバイバイして、もやもやボールのちかくにすわった。
すうぐ・いじけるんは まっている。
べ・らーのさんとはなしができるのをまっている。
といったものの、みずしらずのすうぐ・いじけるんをべ・らーのさんがいやだとおもったら、はなしもできないということにすうぐ・いじけるんはきづかない。
こえがしたから。
それだけでまっている。
まっているあいだ、なにもすることがないので、いろいろかんがえている。
かんがえるのはじゆうだもん。
あいてにいわなければ、めいわくじゃないもん。
まず、おもいだしたくもないおっこ・りんぼうのことをかんがえた。
こころのどこかでおっこ・りんぼうをたおすのはまちがっているのではないかというきがしたから。
おっこ・りんぼうのいいところ?
すうぐ・いじけるんにはうかばない。
ほかのひとはいえるのかもしれないけれど、すうぐ・いじけるんにはいじわるこうせんでこうげきしてくるし、しゃべるじかんじゃないときに、お・しゃべりーのとよくしゃべっているし、けらけらーなのわるぐちをすうぐ・いじけるんにいってたのに、にこにこはなしをするし、やってることがすうぐ・いじけるんにはわからない。
だから、おっこ・りんぼうはすうぐ・いじけるんとはちがうほしからきたうちゅうじんだとおもうことにした。
でも、おっこ・りんぼうは、すうぐ・いじけるんじゃないひととへらへらわらってはなしをするから、すうぐ・いじけるんがうちゅうじんなのかもしれない。
ちがうか。
みんなじぶんのほしのうちゅうじんで、うまくやってるふりをしてるんだ。
じゃ、くまさんもなかよしのふりなのかな?
かんがえたら、あたまがぐちゃぐちゃになりそうなので、おっこ・りんぼうのことをかんがえるのはやめよう。
べ・らーのさんのことかんがえよう。
べ・らーのさんはなんでボールのなかにいるのかな?
じぶんではいったのかな?
だれかにいれられたのかな?
おなかすかないのかな?
ひとりなのかな?
こわくないのかな?
ひとりなのかな?
たのしいのかな?
ひとりなのかな?
さびしくないのかな?
こんなふうにかんがえているのも、べ・らーのさんにはめいわくかな。
あったこともないべ・らーのさんのことをかんがえるのはふしぎなきもちだった。
そんなことがあってもいいよね。
すうぐ・いじけるんはねむくなってきた。
きょうはねよう。
くまさんがいないけど。
くまさんはすうぐ・いじけるんがふとんにはいるとかけぶとんをかけてくれて、おやすみっていってくれる。そのときが、すうぐ・いじけるんはいちにちのなかでいちばんすきなときなんだ。
くまさんにはいってないけど。
いつかいおう。
すうぐ・いじけるんはめがさめた。
あれ?
ボールがない。
あたりをぐるーっとみた。
なくなっている。
べ・らーのさんは?
しつこくかんがえたのがわかったのかな。
いやになったのかな。
すうぐ・いじけるん、ちょっとかんがえすぎ。
んんん…
よし。
ぼうけんのもくてき、へんこう。
べ・らーのさんをさがすんだ。
どこを?
おっこ・りんぼうをたおすくすりをさがすときにも、どこにあるのかかんがえないで、でかけたんだ。どっさどっさって。
だけどね。
ひとりのぼうけんはつまんないってきづいちゃったんだよ。
いろんなことかんがえちゃうんだ。
くまさんがいたら、たのしいんだよ。
いないとさびしいんじゃなくて、いるからたのしいんだよ。
いっかい、おうちにかえろう。
くろいもやもやボールのこと、しらべてみよう。
こんどはくまさんといっしょにぼうけんしよう。
おっこ・りんぼうでもやっとするより、べ・らーのさんでわくわくしたい。
つよくなってないけど、でなおしするね。
あ、いつもおふとん、ありがとうっていわなくちゃ。
どっさどっさ。
すうぐ・いじけるんはかえっていく。
くーまさんのかーらあげがたーべたいなー。
ハンバーグとおなじくらいだいすきなからあげのうたをうたいながら、どっさどっさ。